「ちゃんと歩いているのに…」
「健康のために毎日30分歩いています」
施術中によく聞く言葉です。
実際に、
ジムでランニングマシンを頑張っている方もいます。
朝のウォーキングを続けている方もいます。
それなのに、
膝が痛い。
腰が痛い。
肩がこる。
疲れやすい。
そんな悩みを抱えている方も少なくありません。
すると、
「歩く量が足りないのかな」
「もっと頑張らないといけないのかな」
と思ってしまいます。
でも本当にそうでしょうか。
ランニングマシンは「整った世界」
ランニングマシンはとても優秀です。
雨の日でも歩ける。
暑さや寒さも関係ない。
転ぶ心配も少ない。
一定の速度で運動できます。
健康のために運動を始めるには、とても良い選択です。
でも見方を変えると、
ランニングマシンはとても整った世界でもあります。
段差がない。
坂道がない。
風もない。
信号もない。
地面の状態もほとんど変わりません。
脳は次に何が起きるかを予測できます。
だから体は最低限の仕事だけで済みます。
外のウォーキングは脳も忙しい
一方で外を歩くとどうでしょう。
道路にはわずかな傾きがあります。
歩道には段差があります。
風が吹きます。
人や自転車が通ります。
脳は常に周囲の情報を集めています。
足元を確認する。
バランスを取る。
進む方向を考える。
周囲の状況を判断する。
つまり外を歩くということは、
足だけでなく、
脳も、
目も、
耳も、
バランス感覚も使っているのです。
だから外を歩くと、
気分がスッキリしたり、
考え事が整理されたり、
なぜか気持ちが軽くなったりすることがあります。
それでも痛くなる人がいます
ここが大切なポイントです。
外を歩く方が良いなら、
歩けばみんな元気になるのでしょうか。
実はそうではありません。
施術をしていると、
毎日1時間歩いているのに膝が痛い方もいます。
毎日散歩しているのに腰痛がある方もいます。
健康のために頑張っているのに、
思うような変化が出ない方もいます。
なぜでしょうか。
問題は「歩くこと」ではなく「どう歩くか」
実は、
歩いていることと、
正しく体を使えていることは別の話です。
例えば股関節の動きが少ない方。
足首が硬くなっている方。
呼吸が浅い方。
肋骨があまり動いていない方。
こうした状態では、
本来分散されるはずの負担が一か所に集中します。
膝が必要以上に頑張る。
腰が必要以上に頑張る。
首や肩が必要以上に頑張る。
そんな状態が起こります。
痛い場所は頑張りすぎた結果かもしれない
膝が痛い。
だから膝が悪い。
腰が痛い。
だから腰が悪い。
そう考えたくなります。
でも実際の体はそんなに単純ではありません。
体はたくさんの関節や筋肉が協力しながら動いています。
本来なら股関節がしっかり動いてほしい場面で、
股関節がうまく働いていないことがあります。
すると、その分を膝が補おうとします。
膝は悪くないのに、
働きすぎて疲れてしまうのです。
腰痛も同じです。
本来は肋骨や背中が動いてほしい場面で、
その動きが少なくなると腰が代わりに頑張ります。
首こりや肩こりも同じです。
肩甲骨が十分に動かなければ、
首や肩の筋肉がその負担を引き受けます。
痛みが出ている場所は、
サボっている場所ではありません。
むしろ頑張りすぎている場所なのです。
私たちが見ているのは歩き方です
施術では、
「どこが痛いですか?」
だけを見ているわけではありません。
どこが動いているのか。
どこが動いていないのか。
どこが頑張りすぎているのか。
どこが本来の仕事をできていないのか。
そこを見ています。
実際に、
歩き方が変わるだけで膝への負担が減ることがあります。
呼吸が変わるだけで腰の張りが軽くなることがあります。
体の使い方が変わるだけで疲れにくくなることもあります。
同じ30分のウォーキングでも、
体の使い方が変われば結果は大きく変わるのです。
まとめ
ランニングマシンと外のウォーキングには違いがあります。
✓ ランニングマシンは安全で一定の環境
✓ 外のウォーキングは脳やバランス感覚も使う
✓ 大切なのは歩く量だけではない
✓ 歩き方や体の使い方によって負担は変わる
✓ 痛みの原因は痛い場所にないことも多い
もし毎日歩いているのに良くならないなら、
頑張りが足りないわけではありません。
もしかすると、
体の使い方にヒントが隠れているのかもしれません。
健康のために歩くことは素晴らしいことです。
でも、
もっと歩く前に、
一度ご自身の体がどう動いているのかを見直してみませんか。
痛みが出ている場所は、
あなたを困らせようとしている場所ではありません。
むしろ頑張りすぎている場所なのかもしれません。
その頑張りに気づくことが、
本当の意味で体を変える第一歩になるかもしれません。

